2003年

「第1回日本臨床腫瘍学会総会」で臨床腫瘍専門医の育成を決議(2003.2.28)

これまで当会は各方面に「臨床腫瘍専門医(腫瘍内科医)育成」の必要性を訴えてきました。この度、日本臨床腫瘍学会がついにその実行に着手することなりました。

臨床腫瘍専門医の育成学会の立場から(日本臨床腫瘍学会) / 福岡正博(近大・腫瘍内)

わが国においては、死亡原因の最も多い疾患であるにもかかわらず、悪性腫瘍に対する薬物治療の遅れが指摘され、癌薬物治療専門医(Medical Oncologist)の育成が待望されている。

日本臨床腫瘍研究会は、臨床腫瘍医の育成を第1の目的とし2003年より学会として発展し専門医制度の確立を目指している。

現在、日本臨床腫瘍学会専門医制度委員会では、2005年の発足に向けて専門医制度規則などを整備しているところである。

規則のなかでも「臨床腫瘍学の進歩に即するがん薬物治療に精通する優れた医師を養成し、以て医療の向上を図り、国民の福祉に貫献することを目的として本学会に専門医制度を設ける」としている。

専門医の資格は、医師国家試験合格後5年以上の臨床経験を有し、本学会が認定する認定施設で指導医の指導のもとで所定の研修カリキュラムに従い2年以上の臨床腫瘍学の研修を行い、本学会が主催する教育セミナーに1回以上出席、がん化学療法に関係する論文および本学会での発表の業績があり、5年間に担当医としてがん薬物治療をおこなった30例以上の症例実績報告書を提出し、本学会が施行する認定試験に合格することとしている。

さらに5年毎の更新が必要であり、更新には一定の業績と学術集会または教育セミナーヘの出席を義務づけている。この専門医制度が実のあるものにするためには、優れた研修カリクラムの作成、厳格な資格審査、更新審査を行うことが重要であるが、さらに本学会の法人化、医師会員の増加、学術集会、教育プログラムの充実などが必要である。

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