要望書・請願書・質問書

私共の願い(2003/07/14)

中央社会保険医療協議会会長
星野 進保  様

拝啓、猛暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は中央社会保険医療協議会会長としてご尽力下さり、厚くお礼申し上げます。

さて、突然このようなお手紙を差し上げる非礼をまずお許し下さい。

私共は、がん患者とその家族で作る「癌と共に生きる会」と申します。添付させていただきました昨日の日本経済新聞の記事の中で、「抗がん剤の適応を拡大してほしい」と要望書(約12万筆の署名)を厚生労働省に提出した団体です。
その記事の中で、「同省の今回の方針は患者の切実な声に応えた形だ」と説明されておりますが、私共が厚生労働省にお願いしてきました内容とは、異なっております。
中医協が16日に開かれると伺い、私共の「真意」をお伝え致したく、急ぎ筆を取らせていただきました。

私共の願い

記事の中にも書かれておりますように、世界的に認めれている抗がん剤が日本では、未承認や保険適応外のために、世界の標準治療を受けにくい状態になっております。がんという命に関わる病気と日々闘っている患者たちにとっては、一刻でも早くこうした標準治療薬を保険診療で受けたいというのが切実な願いです。そこで、

1) 未承認薬を使う場合は、全額自己負担の「自由診療」でしか治療を受けられなかったものを、未承認薬のみを患者負担とし、その他は保険を適用できるようにしていただきたい。

2)日本で既にあるがんには保険適応されているが、他のがんには保険適応されていない抗がん剤の内、世界的には標準治療とされているものにつきましては、医薬審第104号「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」に従い、海外のデータを活用し、早急に適応拡大していただきたい。
その際、製薬会社に申請を促すために、申請費用を無料にするなど、何らかのインセンティブを与えることをご検討いただきたい。
また、適応拡大承認までの期間は、暫定的処置として、1)と同様に、薬剤のみ自己負担とし、その他は保険が使えるようにしていただきたい。

以上、ご検討賜れば幸いに存じます。

敬具

平成15年7月14日

癌と共に生きる
会長 橋本榮介