1 基本的考え方
新医薬品は、薬事法に基づき製造又は輸入しようとする者から提出を受けた臨床試験の試験成績に関する資料等を基に、有効性及び安全性を審査し、その申請に係る効能、効果等を有すると認められない場合、その効能、効果等に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品として使用価値がないと認められる場合等には、承認は与えないこととされており、薬事・食品衛生審議会の意見を聞き、これら承認を与えない要件に該当しないことを確認の上、承認しています。
医薬品(治療薬)に対する医療保険の適用については、原則として薬事法により承認された効能に使用された場合に給付の対象となります。
なお、薬事法は、承認された効能以外の効能により医師が自己の責任において使用することを妨げるものではありません。
2 抗癌剤の承認状況とそれに対する措置等
抗癌剤については、欧米諸国と比較すると、開発企業において承認申請に必要な治験データ等の整備が遅れたり、必要なデータが一部の効能のものしか収集されていないなどの理由により、ご指摘のとおり、欧米諸国で既に承認されている抗癌剤が我が国では未申請であったり、申請された効能が一部であったため、承認内容も一部に限られているものもあります。
このような状況を踏まえ、厚生労働省では、承認審査の迅速化、外国臨床データの活用等を進め、申請がなされればできる限り速やかに対応するようにしています。
具体的には、
(1)医薬品医療機器審査センターの設置(平成9年7月)、審査官等の倍増(平成9年〜11年)など、承認審査体制の強化を図り、平成12年4月以降申請の新薬より標準的事務処理期間を18か月から米国並みの12か月に短縮し、
(2)希少疾病用医薬品その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医薬品については、承認審査を優先して行うこととし、
(3)また、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH:International
Conference on Harmonization)の合意に基づき、外国臨床試験成績がある場合には承認申請資料として利用し、必要最小限の国内臨床試験データにより承認申請を行うことを認めた(平成10年8月)ところであり、
(4)さらに、外国において広くその適応症が認められ、内外における評価が確立している場合には、新たに臨床試験を求めずに承認審査を行う仕組みの導入(平成11年2月)を図ったところです。
こうした取組みにより、最近では、外国臨床試験成績を利用し必要最小限の国内臨床成績により短期間に承認されている抗癌剤の例もあり、今後とも速やかに医療上必要性の高い有用な新医薬品が早期に導入されるよう努めてまいりたいと考えております。
なお、参考に、最近承認され、又は一部変更承認(効能追加等)された抗癌剤等(平成11年以降承認分)をお示しします。