
抗癌剤治療がよくわかる本 平岩正樹 著
海竜社ISBN4-7593-0789-3 l六上製 本体1,800円
日本で最も多い病気は癌です。統計では年間約30万人、つまり三人に一人は癌で死亡しているのが現状です。
もう癌はありふれた成人病、早期発見さえすれば治療、完冶できる病気といっても過言ではないでしょう。
それでは、日本でなぜこれほど癌が問題になるのか。
それは、癌がすでにかなり進行しているか治らないのかわからない患者、それにもまして
医者からも見離された癌患者に対する治療法、「医療そのものの貧困」にあるというのが著者の主張です。
抗癌剤治療も日進月歩ですが「抗癌剤治療」にかぎり、米国には4000人以上いる抗癌剤治療の専門家が、
日本全国で数十人、しかもその大半の専門家は新薬の「治験」に追われているのが実情の由。
皆さんもご存知のように池袋に日本を代表する癌研付属病院がありますが、がんの「診療を専門とする医者」は200人以上いるのに、
「抗癌剤治療の専門家」は4人だけと言う話です。ということは、普通の病院は勿論のこと、大学病院ですら抗癌剤治療の専門家は
殆ど居ず、人材育成もできないでいる。にもかかわらず、日本には何十万人も抗癌剤治療を必要としている癌患者がいる。
言い方を変えて著者流に言えば、日本では抗癌剤治療を受けたくても受けられないでいる大量の癌難民がいるということになります。
このような現実の真只中におかれている癌患者の皆さん、潜在癌患者の可能性のある日本人である私達はどうしたらよいのでしょう?
ごく普通の人が抗癌剤と聞いて思いうかべるのは、抗癌剤は副作用が強く大変だということぐらいではないでしょうか。
できることと言えば、まず抗癌剤についての正確な基礎知識、抗癌剤治療の実態についての正確な認識をすることではないでしょうか。
抗癌剤治療の日本の第一人者と言われている著者が、精魂と情熱をこめて書いたこの本を虚心に読めば癌の治療法や抗癌剤の種類、
抗癌剤治療の方法は多種多様多彩で、吃驚するほど多くのやり方があることがよくわかります。
万が一、自分が癌になったとしてもこれだけの基礎知識があれば助かる可能性大であるとわかり、精神的にも動揺せず、
癌治療の専門医を探せばよいと自分に言い聞かせることができるでしょう。
もしこの本を読まなかったとしたら、或いはこの本の存在すら知らなかったとして万が一癌にかかったと仮定した場合、
癌難民の一員になってしまうのではないかと、逆に「知らないことの恐ろしさ」を感じさせられます。
現在癌にかかっている患者、そのご家族の方だけでなく全ての日本人に読んでいただきたい
「抗癌剤のバイブル」 ともいえる好著です

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担当:濱本
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