平岩正樹医師の医療



 海竜社のご好意により、平岩医師が行なっている医療を 「がん 患者ができること 医者にしかできないこと」 平岩正樹著(海竜社)から転載させて頂きました。さらに詳しい内容は、上記の本をご参照下さい。



 平岩医師の医療は、次ぎの3本柱です。
  @ノンプロトコール・プロトコール(猫の目療法)
  Aクロノテラピー
  B副作用を抑えた抗癌剤治療



@ノンプロトコール・プロトコール(猫の目療法)

  ノンプロトコール・プロトコールは、患者さん一人ひとりに合った抗癌剤と量を探して、効果と副作用をみながら、くるくると猫の目のように治療を変えていく方法です。患者さんにはできるだけ負担がなく、効果を上げるのが狙いです。治療の内容は、一人ひとりの様子を検査結果や患者さんの自覚症状によって、毎回変えていくので、非常に手間隙がかかります。
 なぜ、この抗癌剤を使うのか、どうして増やすのか、また、なぜ別の抗癌剤に変えるのか、一つひとつ説明し、納得を得るので、私も患者さんも大変な作業です。しかし、私の行なっているノンプロトコール・プロトコールは、その患者さんへの確認作業がなければ成り立ちません。

 関連医学論文:『ランセット』(2000年10月21日号)スカンジナビアの乳癌研究グループによる論文


Aクロノテラピー

 クロノテラピーは、夜寝ている間に治療をすることで、抗癌剤の効果が上がり、副作用が小さくなるというフランスの研究論文を参考にして、一九九七年から行うようになりました。論文を読んだからといって、初めからすぐに飛びついくわけではありません。しかし、副作用に苦しむ患者さんの姿を見て、何とかならないだろうか、と思ったのです。しかもこれは、昼間、患者さんを病院に拘束しないので、普通の生活を続けることができます。

関連医学論文:

●『ランセット』1997年第350号:681−86ページ
 「オキサリプラチン、フルオロウラシル及びフォリン酸を用いた
   クロノテラピーの転移性結腸直腸ガンに対する有効性の検討」


●ASCO(アメリカ臨床癌学会)2000年では、クロノテラピーについて、世界で9本の発表が報告されています。その一部を紹介すると、

◆60%.
 #1255-2000.
 Chronotherapy of Metastatic Colorectal Cancer (MCC) with 5-Fluorouracil (5-FU)-Leucovorin (LV)-Oxaliplatin (L-OHP) as Second to Seventh Line Treatment.
 転移性結腸直腸ガンに対するセカンドラインから7thライン・セラピーとしての、5 −フルオロウラシル(5−FU),ロイコボリン(LV) 及びオキサリプラチン(L-OHP)を用いたクロノテラピー


◆56%.
 #936-2000.
 Final Efficacy Update at 7 Years of Flat vs Chronomodulated Infusion (Chrono) of Oxaliplatin, 5-Fluorouracil and Leucovorin as First Line Treatment of Metastatic Colorectal Cancer.
 転移性結腸直腸ガンに対するファーストライン・セラピーとしての、オキサリプラチン、5−フルオロウラシル及びロイコボリン配合の時  間調整静注(クロノテラピー)対持続静注法の7年調査の有効性に関するアップデイト最終版

56%.
 #1098-2000.
 Quality of Life (QOL) Evaluation During Infusional Chronotherapy (Chrono) in Advanced Colorectal Cancer (ACC) Patients (Pts): Correlation with Clinical Parameters.
 進行性結腸直腸ガン(ACC)患者に対するクロノテラピー施行期間中の生活の質(QOL)に関する評価: 臨床的パラメータとの相関関係

60%.
 #2533-2000.
 Randomized Trial of Chronotherapy with 5-Fluorouracil (5-FU) and Folinic Acid (FA) in Patients with Advanced Gastric Cancer.

 
進行性胃ガン患者に対する5−フルオロウラシル(5−FU)及び葉酸(FA)を用いたクロノテラピーの無作為臨床試験



その他の論文については、ASCOのホームページ(http://www.asco.org/)をご参照下さい。


B副作用を抑えた抗癌剤治療

 抗癌剤の副作用の代名詞とも言われる吐き気や食欲不振は、ヒスロンHやアセナリン、ガスモチチンなどの薬を使って抑えています。私の患者さんで、吐いてダイエットをしたい、と言う人(笑)以外は、抗癌剤で吐く人はいません。

関連医学論文:

PubMed
ガン患者に見られる食欲不振/カケキシアや嘔吐は、末梢血単核細胞で産生されるサイトカインとセロトニンの働きに関係しているが、メドロキシプロゲステロン・アセテートでサイトカインとセロトニンの生体外産出が減少した。


PubMed
重度の非ホルモン感受性ガン患者の食物摂取量、体内組成、休息時エネルギー消費量をメドロキシプロゲステロン・アセテートで改善する(無作為・プラセボ対照臨床試験報告)